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東塔復興
華厳宗管長・東大寺別当 北河原 公敬

 奈良時代に創建された東大寺は、1250年以上もの間、さまざまな困難を乗り越え今日に至っております。
 特に平安時代末期と戦国時代、二度の兵火に遭い、多くの堂宇(どうう)伽藍(がらん)が灰燼(かいじん)に帰し、壊滅的な状況で、東大寺存亡の危機に陥ったにもかかわらず、その都度見事に復興するという歴史的事実は、驚くべきものがあります。
 これは奈良時代、聖武天皇が大仏造立を発願し詔を出された際、貴族から庶民まで階層を問わず、多くの人の力を結集したいと考え、「一枝の草、一把りの土を以て、像を助け造らんと願う者あらば恣(ほしいまま)に之を聴せ」と、広く国民に呼びかけられた精神が、時代を経ても脈々と受け継がれ、民衆の知識(造寺造仏などに寄付したり労力などを提供したりすること)の力を支えに、時の権力者の支援もあって、そのたびに復興を成し遂げられたからです。
 復興ではありませんが、近いところでは大仏殿昭和大修理や、南大門仁王尊像平成大修理の際も、勧進によって多くの皆様のご支援を受け、無事修理事業を完遂することができました。これも聖武天皇の創建理念が受け継がれているからです。
 東大寺はこれからも先人方が守り伝えてくださった、堂宇や尊像、寺宝類を保存継承し、後世に伝えてまいります。
 併せて東大寺は将来について、境内整備を進めるべく既に委員会を設置し、基本構想の検討を始めて頂いています。東大寺では創建期の伽藍跡の整備を計画し、特に第一期として東塔、東塔院跡の発掘と整備を進めたいと考えております。そしてその先には鎌倉期復興に尽力された重源上人が果たせなかった、「東塔復興の暁には千人の童を集めて、東塔の前で法華経を読誦させようとの思いを、何としても私たちの時代に実現したいと、東塔復興を目指しております。
 私たちの時代に東塔が復興でき、後世に伝えられたら、これは素晴らしいことではないでしょうか。私の代に復興できるわけではございませんが、是非、東塔跡の発掘を手がけ復興の緒につけたらと思っております。多くの皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。

大仏殿 大仏

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